君に捧げる花束を
声をかけられて不安定だった足もとがぐらつく。
「わっ!!」
倒れる!と思った時、函南君が清花の、キーホルダーを握った方の手をつかんで支えてくれた。
そのまま、きゅっと握ってきて。
再び心臓がうるさく加速してゆく。
握った手を紐解くように函南くんの手が清花の手をそっと開くと、手の中のキーホルダーは、再び函南君の手に渡っていった。
それを函南君は合わせ襟の隙間から、胴着の懐に入れた。
「さんきゅ。」
こちらを見もせず、目を逸らして言った函南君の横顔が微かに赤い。
函南君は部屋を出る瞬間、ほんの微かに微笑んで。
人差し指の背でコツンと、清花の額を小突いて去っていった。
ひとり、暗い部屋に残された清花は、またへたりこんでしまって。
呆然としたまま、心拍数が元に戻るのを待った。
ふいにつうっと鼻の下に生温いものが……。
げっ、と思って触ってみると、赤いぬるりとしたものが…。
函南君の色気に当てられて、鼻血を出しました。
嘘でしょ!?!?
あああっ!早く拭かないと函南君の試合が始まっちゃう!
清花はまぬけに鼻を抑えながら、慌てて部屋を飛び出した。