君に捧げる花束を
そういって差し出したのは小さなキーホルダー。
函南君が少し目を見開いて、それを受け取った。
前髪の隙間の瞳がそれを見下ろしている。
レジンで作った手作りのキーホルダー。
まるで夜空のような群青色の中に金色の弓と矢が埋め込まれている。
光にかざすと、矢先にはめ込まれた濃い青色の石と、石に混ざった金色がきらめいた。
「ラピスラズリは、迷いと邪念を振り払って、最強の幸運を運んでくれる石なんだって。
色が函南君のイメージにぴったりだったから嵌めてみたの。
今日、函南君にとって大事な日だから、最強に良いことが起こるように願いを込めました。
良かったら受け取って。って…」
良く考えたら、これから試合なのにこんなん邪魔じゃん!!
慌てて函南君の手からキーホルダーをひったくった。
「ごごごめん!試合中こんなの邪魔だよね…!あのまた来週渡すね!じゃあ、また……」
抜けた腰に気合を入れて、なんとか中腰にまで足を踏ん張ると中途半端な格好のまま、歩きだそうとした。
「待って。」