君に捧げる花束を





「おー、町田やるじゃん。一年の時、めっちゃ軽い弓さえまともに引けなかったのに。」






美乃莉ちゃんが感心したように褒めた。




軽い…?



弓道がまったくわからない清花に、道場へ目を向けたまま、美乃莉ちゃんは説明してくれた。




「筋力って人それぞれ違うじゃん?

だから個人の筋力に合った弓を引くの。

筋力がない人は軽い弓、ある人は重い弓ってね。

八キロが一番軽いやつだったかなー。

男子だったら、十キロとか十三キロ引くのに、町田の場合、九キロが限界だったんだよ。




…あいつ背でかいじゃん?八キロの弓は体型に合わないからって引かせてもらえなかったんだわ。」






美乃莉ちゃんが当時を思い出したように、ぷっと吹き出した。




いいなぁ…。短い間だったみたいだけど、部活やってたんだ。



話している美乃莉ちゃんは楽しそうで、辞めてしまったけれど、今でも思い出せば楽しい時間だったんだろう。きっと一生忘れられない思い出なんだなぁ…。




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