君に捧げる花束を
当たったのに函南君は、眉一つ動かさず、矢を離した時の体制のまま。
やがて両手をおろし何事も無かったかのように次の矢をつがえはじめた。
えっ!もっと喜んでもいいのに!!ほぼ真ん中だよ!?
「はしゃいじゃいけないんだってば。」
美乃莉ちゃんが笑いながら教えてくれた。
確かに、道場の中はそんな雰囲気じゃなかった。
試合はまるで芸術みたいに、静かに、淡々と進んでいった。誰もが、当たっても外しても、落ち込む事も喜ぶ事もなく、次の矢に力を込める。
ひとつひとつの動作がゆっくりだから、試合の進みは早くないけど、息を詰めて見ていると、速いような速くないような…。