君に捧げる花束を
「皆中(全ての矢が的に中る事)だわ…。」
美乃莉ちゃんが感嘆のため息を漏らす。
「さっすが。イケメンはやる事もイケメンだね。」
野風も感心したようでぱちぱちと拍手している。
拍手の中。
やっぱり、無表情を崩す事などなく、淡々とした仕草で自らの矢が中った的から目をそらした。
去り際に、道場内に礼をして静かにその場を後にした。
「あー、見ている方も緊張したけど。函南君、すっごいかっこよかったー…。あたしも惚れそう。」
まりあが頬に手をあててふふっといたずらっぽく笑う。
「あたしも惚れ直したー!!」
美乃莉ちゃんがまだ函南君の去っていった方をまだ眺めたまま、きゃーっと騒ぐ。
「あたしも~!」
渚波ちゃんが言うと、佳織ちゃんがその頭を軽くぺしりと叩く。
「ななみんには、今野君がいるでしょ。」
「それとこれは別だも~ん!」
「今野君て、カレシ?」
まりあが興味津々で尋ねると、美乃莉ちゃんと渚波がきゃあきゃあと騒ぎ出した。
「うきょたんていうの!」
「はい?」
「右京君ね右京君!!」
「……あんたらあだ名付けるの好きね。」
恋バナに花を咲かせている皆を負いて、清花はひとりその場を離れた。