君に捧げる花束を
「ノリが軽すぎて甘い雰囲気になれないって、碓氷さんも言ってたよ。」
佳織ちゃんがケータイを片手に開きながら半分上の空のまま、珍しく辛辣なことを言う。
碓氷さんて…、まさか、うちのクラスのバレー部の…?
手が広い…。
「そー、友達としては好きなんだけどね。」
てへぺろっと美乃莉ちゃんは舌を出した。
清花の冷めた視線を感じたのか、坂田君は慌てて手を振った。
「いや…!芦屋さんまでそんな目で見ないで…!俺そんなだらしない奴じゃねえってば!」
「どごがだあほたれ。」
「いでぇー!」
がつんと一発、美乃莉ちゃんのゲンコツが坂田君の頭に落とされる。
「俺、人の女に手ぇ出したりしないもん!」
「いや、私誰の女でもないよ。」
涙目になりながら坂田君はなぜか清花に訴えるように叫んだので、清花は真顔で否定した。
その時、
「誰が、誰の女に手を出さないの?」
坂田君の悲痛な叫び声に重ねられた、澄んだ明るい声。
その場にいた、清花、坂田君、野風、まりあ、美乃莉ちゃん、渚波ちゃん、佳織ちゃんが、同時に声がした方へ首を向けた。
背中を覆うような長い髪の毛が、風に揺られてなびく。
美少女転校生の、北条美笛ちゃんが天使のような微笑みを滲ませて立っていた。