君に捧げる花束を
安心すると、不気味なほどあっさりと収まった咳と引換に、どっと冷や汗が吹き出すのを感じた。
けれど呼吸が楽になっても、不安からくる動悸はいくら待っても治まってくれない。
確かに、カバンに薬は入れたはず。毎朝確認してから家を出るのが日課なのだから。
いったい、なぜ…。
乾いた唇を噛んだせいで、鋭く痛んだけれど、それに思考を向ける余裕は無かった。
ひとつの考えたくない可能性が浮かぶ。
もしかして…、
ーー天使のような笑顔。
ーーーーそして、誰をも受け入れないような暗い瞳。
ぞくり、と胸のそこに冷たいものが蠢いた。
「……北条さん?」
あなたの、仕業なの…?