君に捧げる花束を





日常の幸せというのは、こんなにも突然崩れ去るものなのかと思った。




でも、どこか冷静にそれを眺めていられたのは、あの時の…、
北条さんが向けてきた、暗い視線を受け止めた時から。

きっと、何か良からぬことが起こるんじゃないかと、心のどこかで覚悟をしていたからーーー。







何日か経過して、最初のショックが薄れたせいか、周りを見れる余裕ができた。そのおかげで少し気が付いたことがある。




まりあや美乃莉ちゃん達が授業中、何か言いたそうにチラチラと清花の方に目を向ける時があった。




清花はなるべく目を合わせないようにしながらも、心の中では少し嬉しかった。







疑われていたのだとしても、気にかけてくれるだけ嬉しかった。







そしてもうひとつ。

最近、野風の姿を見かけない。


いつの間にか野風の姿は、授業以外では、常に教室におらず、ほとんど姿を見なくなった。


それは函南君もなぜか同じでーーー。


一度だけ、放課後に、野風と函南君が一緒にいるのを見た。


ふたりが何を話していたのか知る由も無かったけれどーー。




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