君に捧げる花束を
そんな清花の背中に腕を回して野風は囁いた。
「きよは頑張ったよ。
もう頑張らなくてもいいじゃないの。
自分を大事にしな?
この際、
体を休めたら?」
思いがけずかけられた言葉にはっと息を呑んだ。
清花の微かに涙の滲んだ目が見開かれる。
それを拭いもしないまま、落ち着いた野風の茶色い瞳を見上げると、その表情には憂いが浮かんでいた。
「ごめん、聞くつもりはなかったんだけど…
この前きよママがうちにきた時に、うちの母さんと話してるのを聞いたんだよ。
4年前の入院した時、危篤になったことも。
それから、今まで、症状があんまり良くなっていないこと。
この前の検診の結果が、悪かった事も。
…全部、本当なんだ?」
「…………。」
清花は唇を噛んで頷いた。
野風が眉を寄せる。清花の細い肩を掴んで揺すった。
「ねぇまじで、頼むから休んで。
全部投げ出しちゃっていいんだからさ。
最近、ほんと咳多すぎだから。
これ以上悪化したら、自分でどうなるか分かってんでしょ?
そのままだったら、この先いつか…
きよ…、あんた、本当に……」
その先は、声として発せられることはなく。
ただ痛いくらいの沈黙が胸を鈍く深く突き刺した。