君に捧げる花束を
全部、話終わると野風は怒っているとも、それでいてとまどっているとも見えるような表情を浮かべて。
でも次の瞬間、泣きそうに顔をくしゃっと歪めた。
野風がこんな顔するの、何年ぶりだろう。
それを見てられなくて、清花は細かく震えるその体をぎゅっと抱きしめた。
「ば…か…。」
胸元でずずっと鼻をすする音ともに、くぐもった声が聞こえてくる。
「ごめんね…」
「悪いと思ってんなら、今すぐそんな計画から手を引けよ…あほ…!」
野風が駄々っ子のように、清花の胸をどんと拳で叩いてくる。
代わりに、清花は野風の背中をトントンと優しく叩いた。
「…こんなあほな私と、友達でいてくれて、ありがと。」
授業開始を告げるチャイムはとうに鳴っていて、
辺りはとても静かだった。
お互いにしばらく無言だった。
「……。」
清花は沈黙を破るように、口を開いた。
「………協力とか応援を、して欲しいなんて思わない。
でも、ひとつだけ。
私をどうか止めないで。」
囁くような声だったが、静かな階段の踊り場に響いたーーー。