君に捧げる花束を






「金持ちだからって調子こいてんじゃないわよーっ!」





こんなふうに、美乃莉ちゃんが北条さんに対して憤慨して店内に響き渡るほど声を張り上げてしまうのだけは勘弁して欲しいのだが…。








「要するに、あれって…嫉妬、ってことだよね…。」







ズルズルマ〇クシェイクを啜る野風の横で、佳織ちゃんが深刻そうな顔でアップルパイを齧りながら呟いた。








嫉妬………。





それは、もう間違いない。




そして清花も同じく、函南君を好きで。






ふたりは恋のライバルだ。







でも、清花の心には全く羨望でもなく嫉妬は浮かんでこなかった。





北条さんのことを思うと、まぎれもない恐怖で心が凍りついていくようだった。







ライバルとして渡り歩くような関係では、ない。








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