君とカフェで会えたら
先輩達に捨て台詞のようなものを吐いて逃げるようにカフェに来てしまった···
そう言えば先輩に正式に振られて初めて顔を合わせるんだと思った途端急に緊張してしまった。
(どうしよう···今まで先輩とどんな顔で会ってたっけ?)
裏口の扉を開けようとしたその時ゴミ袋を手に持った先輩が出てきたのでビックリして固まってしまった。
先輩は何も変わらずにいつもの優しい笑顔を私に向けてくれた。
先輩「可鈴ちゃん!もう大丈夫なの?!」
先輩の安堵した表情を見て思った
先輩は純粋に心から心配してくれてたんだ···それなのに私は···
先輩に満面の笑顔を向けて言った
可鈴「先輩、本当にご迷惑をおかけしました!もう本当に体調万全なので、また今日から宜しくお願いします!」
先輩「良かった···こちらこそ宜しくお願いします先輩!」
可鈴「いやいや先輩はそっちじゃないですか!」
先輩「だってココでは可鈴ちゃんの方が先輩でしょ?」
可鈴「それはそうかもしれないですけど先輩に先輩と言われるのは違和感しかないのでヤめてくださいっ」
すると先輩は少し悲しそうな表情で言った
「本当に元気になったみたいだね···良かった可鈴ちゃんが笑ってると安心するよ」

(ほら···また、先輩がそんな表情(かお)をしてそんな言葉を発するから勘違いしそうになるんだよ···私ならもう振られてるから勘違いしないで済むけど···他の女の子だったら今の完全に勘違いしちゃうよ···先輩はもっと危機感を持つべきだと思う···でも、先輩が本心をただ素直に口にしてるだけだということも分かってるから···私の事を家族みたいに心配して気遣ってくれてるって分かるから···余計に心が痛むんだ···)
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