2・5次元の彼女
照れくさくて、そしてなんだか嬉しくて、分からない振りをした。

「ステージって何? 劇団にでも入るつもり?」

笑いながらそんなことを言って、近くの服に目を落とし、ごまかす。


軽くあしらわれて、意図が通じていないと思ったのだろう。
背を向けて服を選ぶ私に、景斗はゆっくりと言葉を続けた。

「ずっと好きな人がいるんだ」

突然の告白に、肩が、ぴくりと震えた。
走り出した鼓動に気づかれないように、私は何事もなかった振りで「ん?」と相槌を打つ。

「彼女は、僕を男性として見てくれていなくて――」

悲しげに自嘲する彼。
そんなことない、なんて言えない。

「ちゃんと僕のことを、見て欲しいんだ」

見て欲しいと言われて、思わず振り返ってしまった。
視線がばちんと重なって、彼の瞳が私を捕らえる。
いつになく甘い表情。
目が離せない。
鼓動が速くなって、体温が上がっていくような気がした。

景斗が柔らかい笑顔で言った。

「彼女に、愛してもらえるような服、ない?」

「……っ!?」

視線の鎖が解けて、私は高潮した頬を隠すように後ろを向いた。

分かったから
もう恥ずかしいから
これ以上言わないで!
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