2・5次元の彼女
「あはははは!」

あまりの情けなさに、私はお腹を抱えて笑ってしまった。

あーあ。せっかく、ときめいたのに。
景斗のこと、今までにないくらい魅力的で、好きかもしれないって思ったのに。
全部台無しだ。

やっぱりどんな格好をしても、景斗は景斗みたいだ。

「もう無理しなくてもいいよ? あっはははは」
しゃがみ込む景斗の肩をバシバシと叩きながら、思いっきり笑った。

景斗が情けない顔で上目遣いをする。

「ちょっとはドキドキしてくれた?」
「ううん、ぜんっぜん」

それを聞いた景斗は、がっくりと膝に顔を落とした。

嘘だよ。すごくドキドキした。
でも、そんなこと言ってやらない。
だって、情けない姿を見せる景斗に安心してしまったから。

景斗が景斗でよかった。
私が好きな景斗は、不完全で、あがいていて、みっともない
けれど、一生懸命さに手を差し伸べたくなる、そんな人。

躊躇なく私を抱きしめる景斗なんて、つまらない。
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