2・5次元の彼女
私の正面にいた敵が、突如構えを変えた。
まずい、これは必殺技を出すときのモーション。
これをくらえば、防御力の高い私といえど、ただでは済まない。

『ユウさん、避けて!』
景斗の叫びも虚しく、私が避けるより先に敵の斧が振りかざされた。

その時。

画面に激しい閃光が走り、敵の姿がゆっくりと色を失い消えていった。
変わりに立っていたのは、見覚えのある騎士の姿。


『お前ら、俺抜きで狩りに出るなんざ、100年早いんじゃねーの?』

HARU!


イリーナが嬉しそうに叫んだ。
『やったぁ! HARUが助けに来てくれた!』

私だって、叫び出したい気持ちでいっぱいだ。
キャラじゃないからやめておくけど。

それにしても、なんて格好良い登場の仕方なんだろう。
ピンチの瞬間に現れて、敵をなぎ倒すなんて。ヒーロー以外の何者でもない。
いちいち素敵過ぎるよHARU!
私はパソコンの画面の前で身悶えた。


リアルの世界の彼らに会ったことはない。
顔も、身長も、体型も、髪型も、何も知らない。

なのに私は、HARUに恋をしてしまった。

そしてHARUは、私のことを男だと信じている。
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