幸せそうな顔をみせて【完】
ビールが来て、いくつかの料理を頼むとまたそこは私と副島新だけの空間になった。こんなに素敵な店だから人は居るはずなのに、殆ど人の声は聞こえない。雰囲気を壊さないように周りの人も静かに食事やお酒を楽しんでいるのだろう。
テーブルの上にはグラスを白く染めたビールが置かれている。
「とりあえず乾杯。葵、お疲れ様」
「うん。お疲れ様」
副島新の綺麗な微笑みが私に向けられると同時にビールの入ったグラスが重なりガラスの共鳴音を立てる。いつもの居酒屋のビールジョッキではなく、すらりとしたグラスに入ったビールは熟練の技で滑らかで細かな泡がグラスの上を覆っていた。重なる共鳴音もいつもよりも洗練されている気がする。
「小林主任ってお洒落な店を知っているんだね」
「主任は接待とかもあるけど、この店は本社の上司から教えて貰ったらしい。ゆっくり話したい時にいい場所を教えて欲しいと言ったらここを教えて貰った」
確かのこの店ならゆっくり話すことが出来ると思う。
「葵は俺が欲しかったんだろ」
そんな副島新の言葉に過剰反応してしまった。副島新に真っ赤なリボンを掛けたのを想像した私は自分の想像を一気に掻き消したくなった。何を考えているのだろう。同期という時間が長かったためか、自分の中での距離感の取り方が揺れている気がする。
好きなのに…好きだから…距離感が取れない。
「うん。足りない」
ビールは二杯目になっていた。空腹のビールが一気に酔いを身体に回らせた。
テーブルの上にはグラスを白く染めたビールが置かれている。
「とりあえず乾杯。葵、お疲れ様」
「うん。お疲れ様」
副島新の綺麗な微笑みが私に向けられると同時にビールの入ったグラスが重なりガラスの共鳴音を立てる。いつもの居酒屋のビールジョッキではなく、すらりとしたグラスに入ったビールは熟練の技で滑らかで細かな泡がグラスの上を覆っていた。重なる共鳴音もいつもよりも洗練されている気がする。
「小林主任ってお洒落な店を知っているんだね」
「主任は接待とかもあるけど、この店は本社の上司から教えて貰ったらしい。ゆっくり話したい時にいい場所を教えて欲しいと言ったらここを教えて貰った」
確かのこの店ならゆっくり話すことが出来ると思う。
「葵は俺が欲しかったんだろ」
そんな副島新の言葉に過剰反応してしまった。副島新に真っ赤なリボンを掛けたのを想像した私は自分の想像を一気に掻き消したくなった。何を考えているのだろう。同期という時間が長かったためか、自分の中での距離感の取り方が揺れている気がする。
好きなのに…好きだから…距離感が取れない。
「うん。足りない」
ビールは二杯目になっていた。空腹のビールが一気に酔いを身体に回らせた。