幸せそうな顔をみせて【完】
 いつ寝たのか分からない。電気は煌々と明かりを部屋の中に光を灯していて、あのまま電気も消さずに私は寝てしまっていたことに気付く。あの時はちょっと横になるだけのつもりだったけど、実際は指一本も動かせないくらいに疲れていた。それにして何時なんだろう?


 身体をゆっくりと起こすとズキッとこめかみに痛みが走った。こんなにも酷い二日酔いは久しぶりな気がする。時計を見ようと少し身体を動かしただけなのに、辛い。


 頭も痛いし、胃の辺りも重く感じる。倦怠感が半端ない。それに、昨日尚之に買って貰ったお茶のペットボトルはいつの間にか空っぽになっていた。夜中のうちに飲んでしまったのだろう。


 5時10分。


 起きるには早いけど、もう一度寝るには中途半端な時間になっていた。仕方なく起きることにしたけど、二日酔いは治まる気配はない。とりあえず水でも飲まなきゃ。このままじゃ会社に行けない。


 キッチンに行き、冷蔵庫の中のペットボトルの水を飲むと…ゆっくりと冷たい水が喉を潤し、細胞に冷たい水が行き渡るような気がした。冷たい水は少しだけ重たくなった胃の辺りを少しだけ軽くしてくれていた。


 ベッドの上に戻ると、寝ころびながら腕を伸ばし、昨日、置きっぱなしにしているバッグを取った。取り出したのは携帯で昨日、会社を出てから全く見てないのが気になった。電話が鳴ってないから緊急の連絡はないと思うけど、それでも気にはなる。


 画面に指を置き、ロックを外すと…私の身体にロックが掛かったかのように固まった。
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