幸せそうな顔をみせて【完】
 そう言って、私に手渡した服の上に紙袋を置いてくれたのだった。そして、自分はと言うと寝室に入りドアを閉めたのだった。リビングに残された私は…どうしようか迷う。確かにスーツを着ていると苦しい。だからと言って、借りた服を着ると帰るに帰れなくなる。


「帰りたくなったら、もう一度着替えればいいよね」


 そんなことを言いながら、バスルームに行くとドアを閉め、鍵を閉めてから私は借りた服を広げてみた。副島新は身長も高いので、ただのシャツなのに、私の身体に当ててみると、シャツワンピのようになる。それに持ってきてくれたのはスウェットの素材で出来たハーフパンツは裾が広がっているのでフレアパンツのようになるかもしれない。


 自分のスーツを脱いで、借りた服を着ると、私の想像通りだった。


 柔らかい素材で出来た生成りのコットンシャツは私の太ももの所くらいまであるし、下に履いた紺色のハーフパンツは裾が締まってないから着心地はよく、膝丈まである。ウエストをキュッと縛ると十分に部屋着としていけそうだった。


 ストッキングまで脱いだから解放感はたっぷりで…。一瞬ここが副島新の部屋であるのを忘れそうになってしまった。


 でも、着替えを終わらせてリビングに戻ると、副島新は既に着替えを終わらせてソファに座り、テレビをつけ、テーブルにはビールの缶が置いてある。まさか、まだ飲むのだろうか?





 
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