幸せそうな顔をみせて【完】
「身体大丈夫か?電車に乗れるか?」
そんな言葉が私の上から降り注いだのは電車に乗る少し前のことだった。ホームに入ってきた電車はいつも通りのほぼ満員電車で、この中に乗って揺られての帰宅は容易に想像できる。一人ならきっと少し後の電車に乗り、自分の居場所と出来れば座れる場所を探したと思う。でも、今は副島新が傍にいてくれるから電車で二駅くらいなら頑張れそうだと思った。
「うん。大丈夫。二駅だもの」
「キツくなったら言えよ」
「うん」
満員とまではいかないけど、たくさんの人が乗っている電車は揺れに任せると身体も揺れる。そんな中、副島新は何も言わなかったけど、私が楽なように庇ってくれていた。乗客に押された私は副島新の香りに包まれ、胸に額を微かに触れさせながら、目を閉じた。感じる温もりが私を癒していく。傍に居れるだけでこんなに幸せなんだと私は改めて感じていた。
一駅を過ぎて、私と副島新の降りる駅までもうすぐというところでのことだった。そろそろ電車から降りないといけないと思いながらもまだこうして居たいと思っていた。ずっと寂しかった分を取り返すかのように私は甘えていた。
でも、時間の流れは規則通りに針を刻み、私と副島新が降りる駅のホームにスルリと滑り込んだのだった。駅のホームは通勤時間というのもあってたくさんの人波。この中を行くのかと思うとすこしゲンナリするけど、ホームから改札を抜けないとマンションには帰れない。
そんなこと誰でも分かること。でも、副島新は改札とは別の方向に向かって歩き出したのだった。
そんな言葉が私の上から降り注いだのは電車に乗る少し前のことだった。ホームに入ってきた電車はいつも通りのほぼ満員電車で、この中に乗って揺られての帰宅は容易に想像できる。一人ならきっと少し後の電車に乗り、自分の居場所と出来れば座れる場所を探したと思う。でも、今は副島新が傍にいてくれるから電車で二駅くらいなら頑張れそうだと思った。
「うん。大丈夫。二駅だもの」
「キツくなったら言えよ」
「うん」
満員とまではいかないけど、たくさんの人が乗っている電車は揺れに任せると身体も揺れる。そんな中、副島新は何も言わなかったけど、私が楽なように庇ってくれていた。乗客に押された私は副島新の香りに包まれ、胸に額を微かに触れさせながら、目を閉じた。感じる温もりが私を癒していく。傍に居れるだけでこんなに幸せなんだと私は改めて感じていた。
一駅を過ぎて、私と副島新の降りる駅までもうすぐというところでのことだった。そろそろ電車から降りないといけないと思いながらもまだこうして居たいと思っていた。ずっと寂しかった分を取り返すかのように私は甘えていた。
でも、時間の流れは規則通りに針を刻み、私と副島新が降りる駅のホームにスルリと滑り込んだのだった。駅のホームは通勤時間というのもあってたくさんの人波。この中を行くのかと思うとすこしゲンナリするけど、ホームから改札を抜けないとマンションには帰れない。
そんなこと誰でも分かること。でも、副島新は改札とは別の方向に向かって歩き出したのだった。