ご懐妊は突然に【番外編】
匠さんは『男子たるものキッチンには立つべからず』という思考の持ち主なので、料理なんて全くしたことがなかった。
しかし、私が風邪でぶっ倒れた時に、気まぐれで匠さんが夕飯の用意をした。
メニューは英茉の大好物である中華丼だった。
うちの子はご令嬢の割りに案外庶民派だ。
しかし、一口食べて英茉と圭人は無言のままスプーンを置いた。
「何だよー、英茉、パパがせっかく作ったのにどうして食べないんだよ」
英茉と圭人は俯いたままだ。
匠さんは頑なな双子の態度に腹が立ったようで「英茉!圭人!さっさと食べなさい!」と一喝した。
「不味い…こんなん食べたらゲロ吐いちゃう…」
英茉の悲痛な訴えに匠さんは絶句した。
私も試しに一口食べたが無言でスプーンを置いた。
風邪が悪化しそうな味だった。
匠さんは家族のリアクションが余程ショックだったようだ。
パーフェクト男子の名が廃る、と家族にも内緒で料理教室―――しかも個人レッスン―――へ通い始めた。
料理が上達したあかつきには家族に手料理を振舞って驚かそう目論んでいたようだ。
…が、しかし、残念ながら匠さんは料理のセンスが決定的に欠けているようで、なかなか結果が伴わなかった。
そのため足しげく料理教室へ足を運んでいたようだ。
自分の男子としてのポリシーを曲げてまで努力する姿を人に見られたくなかったようで、匠さんは頑なまでに隠し続けた。
…それを浮気と勘違いして、料理教室に乗り込んできたという、なんとも間抜けな結末。
だけど、新庄夫妻という面白くて良い人達とお知り合いになれたということで、ま、いっか。
しかし、私が風邪でぶっ倒れた時に、気まぐれで匠さんが夕飯の用意をした。
メニューは英茉の大好物である中華丼だった。
うちの子はご令嬢の割りに案外庶民派だ。
しかし、一口食べて英茉と圭人は無言のままスプーンを置いた。
「何だよー、英茉、パパがせっかく作ったのにどうして食べないんだよ」
英茉と圭人は俯いたままだ。
匠さんは頑なな双子の態度に腹が立ったようで「英茉!圭人!さっさと食べなさい!」と一喝した。
「不味い…こんなん食べたらゲロ吐いちゃう…」
英茉の悲痛な訴えに匠さんは絶句した。
私も試しに一口食べたが無言でスプーンを置いた。
風邪が悪化しそうな味だった。
匠さんは家族のリアクションが余程ショックだったようだ。
パーフェクト男子の名が廃る、と家族にも内緒で料理教室―――しかも個人レッスン―――へ通い始めた。
料理が上達したあかつきには家族に手料理を振舞って驚かそう目論んでいたようだ。
…が、しかし、残念ながら匠さんは料理のセンスが決定的に欠けているようで、なかなか結果が伴わなかった。
そのため足しげく料理教室へ足を運んでいたようだ。
自分の男子としてのポリシーを曲げてまで努力する姿を人に見られたくなかったようで、匠さんは頑なまでに隠し続けた。
…それを浮気と勘違いして、料理教室に乗り込んできたという、なんとも間抜けな結末。
だけど、新庄夫妻という面白くて良い人達とお知り合いになれたということで、ま、いっか。