ご懐妊は突然に【番外編】
双子達をお風呂に入れて着替えさせると、そろそろ夕飯の時間だ。

キッチンからも香しいお肉の焼ける香りが漂ってくる。

その時不意に玄関のチャイムが鳴る。

「パパだ!」

圭人が素早く反応し、走って玄関へ出迎えに行く。

私と燁子さんもその後に続いた。

「パパー!」

扉を開けると、圭人は匠さんに飛びついた。

なんてったってパパと会うのは一週間ぶり。

匠さんはマレーシアへ出張に行っており、本日帰国した。

スーツ姿の所を見ると葛城邸には空港から直接向かったようだ。

「ただいま圭人」

匠さんは大きな手で息子の頭を撫でた。

「ただいま、遥」

「おかえりなさい、匠さん」

久しぶりの再会に私たちは微笑みあう。

上役としての実績を積み、自信が備わってきた匠さんは妻の私が言うのもなんだけど益々素敵になった。

「燁子、久しぶりだな。ちょっと太ったか?」

「匠ちゃんも老けたわね」

この2人については相変わらずお互いに手厳しい。

「パパ!MacBook買ってくれよ!MacBook!」

圭人は匠さんに纏わりついて、早速おねだりする。

「パソコンはこの間買ったばかりじゃないか」

「ダメだ!そんなんじゃ田中のおじさんに負けちゃうんだ!」

圭人はしつこく食い下がるが匠さんはアルカイックスマイルを浮かべてアッサリかわす。

「あれ、英茉は?」

匠さんは双子の片割れの姿を探した。
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