嫌いになりたい
※※※



───ポーン


遠くで、何かの音がする

重い瞼を持ち上げてみると、チャイムが何度か鳴らされた

ノロノロと起き上がり、壁掛け時計に視線を移すと日付が変わろうとしている

深夜の訪問者は身に覚えがない


気持ち悪い…


両手で、自分の体をギュッと抱き締めた

チャイムが鳴り止むと同時に鳴りだしたスマホ

ビクッと体を震わせ、そっと視線を落とすと───


章………吾…


一瞬躊躇ったものの、スマホを手に取り耳に当てた


『もしもし』


「もっ…もしもし…」


ドキドキして声が震える


『ラビ、今家?』


「え?………うん」


『俺、今ラビん家の前に居るんだけど』


───嘘


スマホを手にしたまま玄関に走り、鍵を開けた


「寝てた?」


今受話器から聞こえていた章吾の声が、目の前で聞こえる


「寝て…た………」


「そっか。起こしてゴメン」


「んーん…大丈夫。それよりも、寒いから中入って」


電話を切り、玄関の中へと招き入れる

隣に章吾を感じながら玄関の鍵を閉めると

突然、ギュッと抱き締められた
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