嫌いになりたい
「え?」


「何、で…皆に言い、ふらした…の………」


好きだった

本当に好きだった

だからこそ、自分本位なことをされて悲しかったのに


無理矢理初めてを奪われたことより…


それ以上に心がズタズタになった


「………今更言っても信じてもらえないかもしれないけど…」


あたしを抱き締める両手に、力がこもる


「亜弥って、男子に人気があったんだ」


それは健太から聞いた

あたし自身は健太しか見えてなかったから、そんな風に感じたことはなかったけれど


「亜弥と付き合う奴は誰だろうな…って、皆で言ってた。俺も亜弥のことが気になってたから、告白された時本当に嬉しかった」


黙って健太の言葉に耳を傾ける


「皆から手は繋いだのか、キスはしたのか………エッチはしたのか…って、根掘り葉掘り聞かれてたからさ。だから、冬休み明けてから皆に『エッチした』って…」


「なっ…」


そんな話題まで男子の間で共有されていたのかと思うと、腹が立ってきた
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