オフィスの華には毒がある
別に、どうでもいいんだけど。なんでもいいんだけど。


環が席に戻ってからも……
……なんでだか、心がざわざわする。

主任、ムカつく。



折角『茶渋ババア』の誤解が解けて、晴れやかな気持ちで仕事に集中出来ると思ったのに、余計なことでメンタルぐらつくのはごめんなんですけど。


そんな中、新着の部内メールに目を通せば、のんきに今夜の飲み会の場所が決まったというお知らせで。


誕生日なんて飲み会の格好のいじりネタにされそうだから、絶対に内緒にしよう、と心に決めて出席する旨の返信をする。


ちらり、と返信一覧を確認すると嶋本主任も早々と出席の返事を入れていて。

他にすることないわけ?さすがダサい人。暇なのね?と、毒づきながら……″別バージョン″の姿が脳裏をかすめる。


どうせなら、あっちの格好でくればいいのに……。
って、何言ってんの、わたし。


ぶんぶんと頭を振って、仕事に集中すべく、パソコンのディスプレイとにらめっこする。


全然内容が入ってこないけど、とにかく画面を睨み続けた。
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