オフィスの華には毒がある
お座敷の長いテーブル、はじっこの方でひっそりと……と思っていたら何故か向かいは嶋本主任だし。
「真ん中行った方がいいんじゃないですか?」
「なんでだよ、遠藤さんが行ったらいいだろ」
と、ひそひそと押し問答すること数回。
そのうち、わたしの大好きなホタルイカの、酢味噌和えが手付かずなのを発見してつい
「……もしかして、目がこっち見てて怖い、とかいう少女的な理由で苦手なんですか?」
とからかってしまったところ、
「……ハッピーバースデー」
と、小声で言いながら小鉢をすすすっと寄越してきて。
「全くその通りだ。こっち見てるくせに茹で上がったその、濁った目が苦手」
真剣な物言いに思わず吹き出してしまう。
「て言うか誕生日とか止めてください、あっちの人達にバレたら厄介です」
テーブルの真ん中辺りでゲラゲラ笑っている人達をチラリと見ながら言えば、
「あそこに割って入って遠藤さんが誕生日だと伝えることが、俺にメリットを与えるとは思えない」
と、また飄々と答える主任。
「真ん中行った方がいいんじゃないですか?」
「なんでだよ、遠藤さんが行ったらいいだろ」
と、ひそひそと押し問答すること数回。
そのうち、わたしの大好きなホタルイカの、酢味噌和えが手付かずなのを発見してつい
「……もしかして、目がこっち見てて怖い、とかいう少女的な理由で苦手なんですか?」
とからかってしまったところ、
「……ハッピーバースデー」
と、小声で言いながら小鉢をすすすっと寄越してきて。
「全くその通りだ。こっち見てるくせに茹で上がったその、濁った目が苦手」
真剣な物言いに思わず吹き出してしまう。
「て言うか誕生日とか止めてください、あっちの人達にバレたら厄介です」
テーブルの真ん中辺りでゲラゲラ笑っている人達をチラリと見ながら言えば、
「あそこに割って入って遠藤さんが誕生日だと伝えることが、俺にメリットを与えるとは思えない」
と、また飄々と答える主任。