オフィスの華には毒がある
戻ってみると、やはり、会はお開きになるようで、皆それぞれに身支度をしているところで。


元のはじっこの席に行ってみると、主任が『なんでその色にしたのかな?』と問い詰めたくなるような変な明るさを放つネイビーのスーツのパンツをパンパンと叩いていた。


「……なにやってるんですか?」


「この、畳のくずみたいなカスみたいなやつ、気にならない?」


「……女子ですか」


「いやなるだろ、普通。あ、そーか、女子は色味の明るい服が多いから目立たないのか!そうなると男の問題だな、これは」


何を言っているんだこの人は、と思いながらエチケットブラシを手渡す。
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