オフィスの華には毒がある
結局、そのまんま、駅へ続く道も三人で行くことになってしまって。


主に話しているのは環と主任だけど。


……にしても。随分と会話が弾む二人を、何だか不思議な気持ちで少し後ろから眺めるわたし。


環、裏ではボロクソに主任のことバカにしてるくせに、ちゃんと本人の前ではニコニコしてるのね。

ふと、『茶渋姉さん事件』を、思い出して苦しくなる。(事件、というと大袈裟だけど、波風立てないがモットーのわたしの人生において結構な衝撃だったので)

うん、そうだった。ちゃんと使い分けをする子だった、この子。


また主任の居ないところではボロクソ言い倒すんだろうし。


「キャハハハハハハハ」


環の爆笑で我に返ると、バシバシ主任の背中を叩いていて。


ひょろひょろのもやしっこだと思っていた主任の背中が、意外と筋肉質だったことを思い出す。

……頼れる感じで、ホッとして……ってちょっと。

どうしました?わたし。

冴えない主任の背中に筋肉があろうがなかろうが関係ないにもほどがあるっつーの。
< 89 / 312 >

この作品をシェア

pagetop