elevator_girl
だが、その微笑みすら飛び越してしまいそうな
ダイレクト感が、ドライバー、深町と
パセンジャー、諒子の全身を包む。
エンジンの鼓動、音。
路面の凹凸を全て伝えきるようなシャーシ。
ひとたびスロットルを踏めば、周囲が全て後方へ飛び去ってしまうかのような
アクセレーション。
異次元の感覚。
エンジン回転計の動きはゆっくりに見えるが、
速度計はその動きと同調したかのように盤面を駆けて行く。
風だけが、耳元で唸りを上げている。
大学の敷地を瞬間、に飛び出してしまい
丘の上からロータス・スーパー7は凄まじい勢いで駆け下りる。
コーナーにさしかかっても、地面に張り付いたかのような
4本のタイアは、安定してスーパー・7を
現世に留めている。
レールに乗っているかのように、静粛に、高速に。
エンジンは快い音を立ててハミングしているのに
スピードだけが、どんどん増していく。
スピード・スピード・スピード。
スピードは力だ。
全ての時は動体上に存在している。
だから、それが相対的だ、と述べたのは
アルバート・アインシュタインである。
そして、彼はこうも言う。