elevator_girl
速度を速めるにつれ、時間の動きは遅くなり
やがて、逆転を始めるのだ。
マイケルソン・モーレーの光縞干渉実験の結果より
それは明らかである。
ふたり、深町と諒子は
共に、地上に居ながらにして時空を飛び越えて
過去に戻ったような、そんなエクスタシーに包まれた。
ライディング・ハイ....。
このまま、時が逆転してくれたらと
深町は思ったりもした。
諒子さんは、どう感じているのだろう。
流れる気圏の中、隣席の彼女は視界の隅で
静かに時を過ごしている....。
瞬く間に丘を駆け下りたスーパー・7を
穏やかに減速させ
深町はエンジンを静かにハミングさせながら
「どうですか?スーパー7は。」
諒子は、にっこりと笑いながら
「風に吹かれて走るって素敵。
小さな頃、思い切り駆けだした時の事を
思い出したの」と
趣のある返答に、深町は頷く。
「できたら、運転してみたかった」と
意外な返答に、深町はまた驚きとともに
嬉しさも覚えた。
..この人は、不思議だな。