タンポポの約束。




2人で少し離れて並んで歩く











「湊さんも四葉さんも冬織さんもみんなかっこよくて華やかで優しくて…
私緊張しっぱなしですっ…」











突然顔を赤くして巴花ちゃんはそう言った



確かに湊も四葉も顔いいもんな
四葉は昔っからモテるの嫌いだけど

湊も昔はあんな前髪が覆い被さってたからモテなかったし、今もたんぽぽちゃんしか見てないからね




俺もよく昔はかっこいいとか言われてたな〜…
なんてことを思い出す




今はなんか、
『冬織くんっておじいちゃんみたい!』

とか言われる始末



嬉しいようなよくないような複雑な気持になる











「巴花ちゃんはさっき同じって言ってたけど…
何があったの?」











俺が気になっていたことを聞くと
少し寂しげな顔をする巴花ちゃん











「私、失恋したんです」





「失恋?」











そうはいってるけど…



ただの失恋って感じの顔じゃない





俺が次の言葉を待っていると
巴花ちゃんは俺をまっすぐ見つめた






その瞳が綺麗で、凛としていて


みつばみたいな瞳だなぁと思ったり…





< 334 / 359 >

この作品をシェア

pagetop