タンポポの約束。




「私の好きな人は病気で…
でも友達の彼氏で…失恋です
その人はもう亡くなっちゃってるんですけど…」











うわぁ…俺と全く同じじゃん…




同じだからなのか…まっすぐ見つめてくる瞳があまりに綺麗だったからか…


俺は自然と口を開いていた











「俺も友達の彼女が好きだった
しかも義母姉弟だったしな…
その子も病気で亡くなってるんだけど、完全に失恋だよ…」











誰にも言ったことなかった



誰にも好きだったも、好きっても言ってなかった





俺の心の中でただひたすら渦巻く感情だったのが
言葉にすると何故か少し抜けていったような気がする







そしてしばらく二人で何とも言えない空気になったけど、すぐに巴花ちゃんがヘラっと笑う











「同じですね
なんか、不謹慎だけど嬉しいです♪」





「俺もだよ
なんか、共感するものがあるっていいな」











一気に距離が縮まった気がしたから





もしかしてこの子の、このこと知ってて俺とくっつけようとしたのか?あいつら







まぁなんにしろ前に進んでみるのもありかな?




そう思えたのは一歩前進だよな











そしてまた歩き出した俺達の距離は
さっきより少しだけ、縮まっていたとさ…









〜永豊冬織という男〜END




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