Hello!!うつ病!!
4月

1


…まさかの迷子だとっ!?!?
通勤初日、近くにある大学の入学式と同じ日にちだった為か、駅は大混雑。
そしてまさかの迷子。
こうして通勤初日からギリギリ時間通勤。
おかげでまともな初日挨拶ができず
緊張のまま初仕事を迎えた。

「羊ママさん、まずはオムツの換え方を教えます。」
…ヤギママです!!
自分の聞き間違えかもしれないと考えると
なかなか名前を訂正できない。
おかげで、それが俺を呼んでいるのか違う人を呼んでいるのかわからず
返事をしない大分失礼な新人になってしまった。

昼休みに緊張しながらようやく挨拶ができた。
そして、そこで名前の訂正ができた。
俺は人見知りを大分すると自分では思っているが、人見知りをしない時もある。
する時としない時の差が激しすぎて
意外にも人見知りがばれないことが多い。
する時としない時の違いは
「最初の挨拶がうまくいくかいかないか」
によってくる。
通勤初日は、挨拶以前に時間ギリギリ通勤なうえに返事をしないこともあると
大大大失敗だ。
その為、人見知り全快以上に発揮をし
前途多難だなと感じた。

「お疲れ様です。」
更衣室に入ってきたのは、何と同期らしい。
自分以外に、この園にはあと3人新卒が入った。
この子はその内の一人で、心理学科を卒業した為、保育士資格を取得していないとのことだ。
この子は資格を取得する為に勉強をしながら保育士をしている。
俺より内定を早く取っていた為、4歳児クラスの担任に任命されていた。
小説内ではこの子のことは、ふんわりちゃんと呼ばせてもらおう。

「お疲れ様です。ヤギママです。」
「ふんわりちゃんです。よろしくお願いします。」
…良かった。喋りやすそうな子だ。
穏やかで柔らかく、ふわふわしているような女の子。
それが、俺がふんわりちゃんに抱いた第一印象。
ふんわりちゃんと喋っていてわかったことは
どうやら、研修をしていないのは俺だけのようだ。
皆は研修をし、他の園だったりこの園だったりで3月いっぱいまでバイトとして少し働いていたこと。
それを聞いて尚更不安が募った。

お互いに頑張ろうと、
今度皆でご飯に行こうと、
話をして初日はお互い帰宅。

初めてのことや新しい世界に行く時というのは
期待と不安が付き物と言うが
こんなに先行く不安だけを募らせていたのは初めてだ。
でも、まだ初日。
慣れなくて当たり前と信じたかった。
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