Hello!!うつ病!!

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「父さん、この付近でオススメの店ってない?」
そんなことを父親に電話して聞いたのは
まだ仕事を始めてから間もない頃。
同期の内の一人、京都から出てきたという
保育士資格を持ち、見た目はクールビューティなのにハキハキして仕事がいかにも出来そうな子と近くの町に出ていた。
小説内ではこの子のことは、京都さんと呼ばせてもらおう。
京都さんと帰り道が同じ方面だったので
途中の駅で降りて、二人で夕飯を食べることにした。
教えてくれたのは、行きつけの居酒屋さん。
父親が居酒屋の方に電話をしてくれていたので、店長も良く接してくれた。

京都さんは1歳児クラスの担任で、俺から見たら
新人とは思えない程保育力があった。

「子ども達がいつでも私達の所に来れるよう、オープンにして待ってるの。でも、自分からしつこく子ども達の所に行かないの。」
…何て素晴らしいのだ、この子は。
実際保育力があり、仕事は積極的で
新人なりに一生懸命頑張る子だった。

「塩焼きそば、うまっ!」
二人声が揃った。
その居酒屋は、料理も酒も美味しかったが
特に一番俺達同期が気に入ったのは塩焼きそばだった。
この居酒屋は、それからもよく活用した。
特に俺は、一人でも行くし、皆とも行く。
仕事が嫌になった時も、楽しい気分の時も
色々な時にここに来た。

俺にとってはとても大事な場所。
その大事な場所に行った記念すべき第一回目を
京都さんと行ったということが、実は少し意外にも感じた。

…何故なら、見た目からして仲良くなれるか不安だったから。
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