立花課長は今日も不機嫌

これ以上、迷惑はかけられない。
大慌てでキョロキョロと窓の外を見ていると、ふと、立花さんからクククという笑い声が聞こえてきた。


「……どうしたんですか?」

「いや。なんでもない」


何でもないのに笑わないだろうに。
これはもう絶対に、私のことを笑っているに違いない。

自分の住んでいる街だというのに、方向感覚まるでナシ。
そのことを笑っているのだ。

自分でも情けなくなる。


「誤解だ。別にバカにしてない」


言いながら笑う。
完全にバカにされてる気分だった。


「いや、でも佐伯って、あれだな」

「……あれって何ですか?」

「抜けたところがあるんだな」

「――っ、ヒドイです」

< 129 / 412 >

この作品をシェア

pagetop