立花課長は今日も不機嫌

そういえば、立花さんは出席していないんだろうか。
さっきから姿が見えないけれど……。

こういう場は苦手なのかもしれない。


楽しそうに話す沙月と入江くんを横目に、何とはなしに視線を彷徨わせる。


「なになに、誰を探してるの?」


すかさず沙月に突っ込まれて、慌てて作り笑い。


「別に誰のことも探してなーい」

「あ、分かった」


沙月の目が妖しく細められるのを見て、何を言いたいのかが分かってしまった。


「立花さんでしょ」


それでも気は使ってくれているらしい。
入江くんには聞こえないように、私の耳元で囁いた。


「違うってば」

< 142 / 412 >

この作品をシェア

pagetop