立花課長は今日も不機嫌
「兄貴のことだ。佐伯を無理矢理ここに置いたんだろ」
「あ、いえっ……」
なきにしもあらずだけれど……ちょっと違う。
シュルシュルと音を立てて、立花さんがネクタイを解く。
シャツのボタンを2つ外して見えた鎖骨にドキッとして、慌てて目を逸らした。
……っと。
帰ろう、うん、帰らなくちゃ。
立花さんが目覚めれば、あとは私は用済みだ。
「すみません、失礼します……」
「ちょっと待て」
2,3歩足を出したところで追いかけてきた立花さんの声。
ピタッと足を止めて振り返る。
「何時だと思ってる」
何時って……。
腕時計を確認する。