立花課長は今日も不機嫌
夕べに引き続き近距離で相対している立花さんが、意外にも均整のとれた顔立ちをしていることにこんな時に気付くとは、私にもまだ余裕があるのかもしれない。
鼻筋は羨むほどにシュッと通り、今はひれ伏してしまいそうなくらい恐ろしい光を宿した漆黒の瞳も息をのむほどに美しい。
……っと。
そんなことを観察している場合じゃない。
ようやく我に返った。
そのまま何秒間か重い沈黙が流れる。
そんな中、椅子を引いて、おもむろに立ち上がった立花さん。
いったい何をするんだろうと見ているうちに、座っている私のそばに跪いたのだった。
――何?
王子様がお姫様に求愛でもするような体勢に、相手が立花さんとはいえドキっとしてしまう。
「失礼」
そう断るなり、私のスカートをまくりあげて太ももを露わにする。