立花課長は今日も不機嫌
「なるほど、そういうことだったんですね。だからこの前、立花さん情報を仕入れて来いなんて」
まだYESともNOとも答えていないというのに、小刻みに頷きながら、入江くんが私をまじまじと見つめる。
けれど、いくら黙っていたところで、全ては明白。
かといって、このまま入江くんを野放しにしておくわけにはいかない。
何せ、ちょっと突けばポロッと大事なことを話してしまう口なのだから。
それを止める手を打っておかなければならない。
「ちょっとここで待ってて」
そう言って入江くんをその場に引き留め、お店に戻ったのだった。