立花課長は今日も不機嫌
ゆっくり振り返るカウンターの人物。
――!!
紛れもない。
それは立花さんだった。
その場で回れ右をして退散したくなるほど、立花さんの顔に不快感が滲む。
けれど、ドアを開けてしまった以上、そうするのもスマートじゃない。
自分に気合を入れるつもりでフッと息を吐いて、足を踏み入れた。
幸い、立花さんとは反対のカウンターの隅が2席空いていて、そこに座ることにしたのだった。
「今日は随分と可愛い男の子連れね。こちらは?」
こういうタイプが好みなのか、良樹さんの目がキラキラと輝く。
「会社の後輩なんです。入江くん、ここのマスター」