立花課長は今日も不機嫌
かといって、立花さんを放って帰ってしまうわけにはいかないし……そうしたくもない。
そばにいたいけれど、いることを許してもらえないだろうという葛藤に苛まれる。
ほんと、どうしよう……。
カウンターにだけスポット的に点けられたオレンジ色のライトが、立花さんの頬を照らす。
安らかな寝顔が、私を見て一変することを想像するだけで怖かった。
そうして1時間ほど過ぎた頃だった。
「……ん、」
微かに肩先が動くと、ゆっくりと立花さんが目を開けた。
その瞬間、ピンと張りつめた緊張に包まれる。
開かれた瞳が、バッチリと私を捉える。
戸惑いに眼差しが揺らいだのは、ほんの一瞬。