立花課長は今日も不機嫌
そういえば――。
“罠だから”
立花さんが口走ったことを不意に思い出した。
鳥塚専務は、私があの店でアルバイトしていることを以前から知っていた。
そんな中、不正を暴かれそうになって立花さんが邪魔に。
私がいる店に連れてきて、立花さんがどう出るか試したのかもしれない。
それは他にもいろいろと手を考えていたうちの一つに過ぎなくて、立花さんはまんまというか、たまたま鳥塚専務の罠に引っ掛かってしまったのかも。
そう考えれば辻褄が合う。
ミーティングルームで立花さんが私にお金を渡したときも、鳥塚専務はドアを隔てた向こうで様子を窺っていた……?
それなら、どことなく挙動不審だったのも頷ける。