立花課長は今日も不機嫌
「行きたくて行ったわけではない。鳥塚専務に連れて行かれただけだ」
一人確証を得たつもりでいると、立花さんから訳の分からないことを告げられた。
「……鳥塚、専務?」
……?
首を45度捻る。
「まさかとは思うが……」
立花さんが私の顔をしげしげと観察する。
――な、なに?
細められた目から逃れるべく上半身を後退させたものの、それは容易く椅子の背もたれに阻まれた。
「鳥塚専務の顔が分からないのか?」
ギクリとした。
夕べ、一緒に来た50代の男性客、あれが鳥塚専務だったということ⁉︎
予想外の人物相関図に口をあんぐり。
その間抜けな口を何とか動かそうと試みる。