立花課長は今日も不機嫌
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“執行猶予”を言い渡されたその日の午後は、気持ちがそぞろ。
半分以上うわの空で仕事を片づけ、沙月の部屋に押しかけていた。
「それで、お店は辞めるんでしょ?」
二人で作ったペスカトーレをフォークにクルクルと巻きながら、沙月が当然のことのように聞く。
立花さんに知られるまでは、会社で唯一、私が夜の仕事もしていることを知っていたのが沙月だった。
そう聞かれても、あっさり「うん」とは頷けず、皿の上のパスタをフォークで弄ぶ。
「……辞めないの?」
返事をしないでいる私を沙月がせっつく。
「辞めたら時間を持て余しちゃう」
「持て余しちゃうって……」
半分あきれ顔で沙月が私を見つめた。