立花課長は今日も不機嫌
「映画を観たり、本を読んだり。たまにはエステにだって行ってみたりして、一人だっていくらでもやることはあるでしょ?」
「……頭では分かってるんだけどね」
いざ一人の時間を迎えると、何をしたらいいのか決められなくて、結局は何もせずに終わってしまう。
主体性がないと言われたら、返す言葉すら見つけられない。
「それなら、新しい彼氏を作りなさい」
「え!?」
随分と話が飛びすぎていないだろうか。
確かに独り身になったが故の事態に違いないとはいえ。
「彼氏がいれば、時間の使い方に困らないんでしょ? もう、杏奈にはそれしかないわ」
唇を窄めながら小刻みに頷く沙月。
「……どうでもいいと思ってるでしょ」
「うん。だって、27歳にもなって一人で時間を過ごせないなんて小学生以下のようなこと言ってるんだもん」
至極当然の沙月の言葉に、グッと言葉を詰まらせる。