立花課長は今日も不機嫌

「お願いします! 岩瀬さん! 岩瀬さんにしかお願いできる人がいないんです。後で岩瀬さんにご面倒を掛けるような真似はしません」

「あ、杏奈さん、あ、あ、頭を上げてく、ください」


躊躇いがちに肩に載せられた手。

岩瀬さんは私の顔を覗き込むようにすると、優しい笑みを浮かべた。


「不正なんですよね?」

「はい……」

「そ、そういうのは、僕もす、好きじゃありません」

「それじゃ、」


思わずパッと顔を輝かせる。


「はい、やってみます。杏奈さんの頼みですし」

「ありがとうございます!」


つい、岩瀬さんの手を取って握ってしまうと


「あ、あ、あ、あ、杏奈さんっ。お、お礼は、ちゃんとふ、復元できてからで……」


岩瀬さんの顔が一気に耳まで真っ赤になった。


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