立花課長は今日も不機嫌
「知らなかった?」
素直に頷く。
「曲がったことは大嫌い。公正公平に努める、社内風紀の潔癖症とでもいうのかな。だから、いつだって目を光らせてるし、それがみんなを怖がらせてるというか」
うんうん、それはよく分かる。
あの目に睨まれたら、身動きひとつ、呼吸すらまともに出来ない。
蛇に睨まれた蛙どころじゃないのだ。
……辞めるしか……ないか……。
小さなため息を漏らした。
あ、そうだ。
沙月に聞こうと思っていたことをふと思い出した。
「ね、沙月は鳥塚専務の顔って分かる?」
「もちろん分かるよ。どうして?」
口の周りに付いたパスタソースを拭いながら、沙月が首を傾げる。