立花課長は今日も不機嫌
「大丈夫ですか?」
手を差し伸べると
「いえっ、だ、だ、だ、大丈夫です」
とても大丈夫とは思えない返答だった。
突いた膝をパンパンと払って体勢を立て直すと、両手を胸の前で組んで、なぜだかモジモジとし始める。
……どうしたのかな。
私を待っていたように思えるんだけど……。
置き去りにして帰るわけにもいかなくて、どうしようかと悩んでいると
「あ、杏奈さん!」
突然、1オクターブも高い声を岩瀬さんが張り上げた。
その声に驚いて、一瞬ビクッと肩先が揺れる。
「は、はい……」
何だろう……?
「す、す、す、す、好きですっ!」