立花課長は今日も不機嫌
「そこまでする理由は何だ」
「はい?」
「違反だと分かって副業をする理由だ」
「それは……」
必死になって言葉を探す。
今ここで正当性のある理由を言わなければ、即クビは免れないかもしれない。
かといって、立花さんを納得できるだけの理由が用意できるはずもなく……。
一人の時間を過ごせないからだと正直に言ったら、それこそ逆鱗にでも触れそうだ。
いい大人が何を言ってるんだと。
今でも十分怖い立花さんが鬼に変貌する姿を想像して、身の毛がよだった。
――もう、こうなったら。
「実は借金が……」
破れかぶれの嘘だった。