立花課長は今日も不機嫌
立花さんの瞳にどことなく滲んだ悲しみの色に、にわかに罪悪感が訪れる。
……やっぱりこんな嘘、ダメだ。
良くない。
即座に気持ちが変わる。
「――あ、あの、すみません、立花さん、」
「両親とも亡くなってるのか」
「え?」
嘘だと白状しようと決意した直後、立花さんの質問に遮られる。
すっかり信じ込んでしまっている立花さんから、さっきまでの厳しい態度が消え失せていた。
トクンと揺れる鼓動。
それについほだされて、コクンと頷いてしまった。
――バカバカバカ!
心の中で自分を罵倒する。
けれど、それが自白の勇気につながることはなく、黙り込んだまま息を潜めた。
そんな私の肩に、立花さんの手が不意に載せられる。