立花課長は今日も不機嫌
何を言うわけでもなく、その手からじんわりと伝わってくる温かさが、罪の意識を増幅させていく。
やっぱり言おう。
嘘だと言って、きちんと謝ろう。
そう決意した矢先、つい力が入った手から、持ったままの立花さんの万年筆がスルンと滑り落ちた。
――あっ!
コロコロとリズムよく転がる万年筆。
それは、歩道を飛び出して車道へと転がって行ってしまった。
追いかけようと足を踏み出したところで、立花さんの手がグッと私を引き戻す。
と同時に、ビュンと音を立てて車が通り過ぎて行った。
「――危ないだろっ」
「でも、立花さんの万年筆が」
どこへ行っただろう。
歩道から目視で探すと……